社員は商品棚のディスプレイや売り場づくりを早い段階から任されるので、自分のセンスを活かして商品を配置したり、オリジナルのPOPを作成したりすることができます。売り場づくりを通して、商品が売れる仕組みを理解するだけでなく、「より良い売り場」を目指して積極的に挑戦できる環境が整っているのです。
また、お客様が求める商品が店頭にない場合など、希望に応えることが難しい時にもすぐに「無理だ」と諦めず、可能な限り他から商品を探してお客様に届けています。お客様から「ありがとう」の言葉をいただくため、期待に応える努力をしているのです。みんなで一つでも多くの「ありがとう」を増やし、地域のお客様に一番支持されることが、私たちの目標です。
当社では、上司が部下を呼ぶ場合にも必ず「さん」という敬称つけます。トップダウンで一方的に指示をするのではなく、スタッフ全員が対等に意見を交換できる関係性を大切にしているのです。そのため、スタッフ同士で相談がしやすく、新たなアイディアや仕事上の問題点もきちんと共有ができています。取締役も頻繁に各店舗を訪れて店内を見回し、新入社員を含めたスタッフみんなに気軽に声をかけ、現場をしっかり把握しています。
スタッフ同士のコミュニケーションが密に取れていれば、不安や失敗を減らすことができるので、上司は部下に仕事を任せやすくなります。また、上司に意見を汲み取ってもらえる環境にあれば、現場で働くスタッフのモチベーションも自然に上がるのです。
お客様の多くは、何らかの商品を求めて私たちの店を訪れます。もし、目当ての品が見つかりづらかったり、従業員の対応が悪かったりしたとしても、最終的に欲しかった商品が手に入れば、そこそこ満足してくださるでしょう。しかし、それでは「我慢」や「あきらめ」が伴ったショッピングになってしまいます。
私たちが目指しているのは、そんなストレスを感じることなく「“とても”喜んで買い物していただける店舗」の実現です。商品が探しやすく、従業員の対応も丁寧で、いつも新しい情報がある。そんな店を実現できたら、多くのお客様に“とても”喜んでいただけるのではないかと考えています。
「喜び」を感じるポイントは個々の価値観によって異なるため、すべての人に喜んでいただくのは難しいことかもしれません。しかし、人は誰でも自身の想像を超える“モノ”に出会った時には感動し、感じた喜びを他人へ伝えようとします。もし、私たちの店で感動を生むことができれば、多くの人へと喜びも伝わるはずです。そんな風に、感動を生み、笑顔があふれるテーマパークのような店をつくること。それが私たちの目標です。
競合の出店や他業種からの参入などによってホームセンターの数が増えるなか、新たな顧客を獲得するためには他社との差別化をはかり、お客様の要望に合ったサービスを充実させることが重要です。そこで、近年話題となっている“DIY女子”にフォーカスして導入したのが、ワークスペース「テラリエ」です。“初めての女性でも楽しめるDIY”をコンセプトに、木工を中心としたDIY体験ができる『ワークショップ』と、自由にDIYを楽しんでいただけるよう作業場を貸し出す『レンタルスペース』を展開しています。
従来のDIY部門は、ホームセンターの主要部門でありながら女性のお客様が少なく、「興味はあるけどなかなか挑戦できない……」という声が多くありました。そこで、「テラリエ」では、常に女性の専門スタッフを待機させ、初心者の女性でも入りやすい環境を整えました。さらに、アンティークなアイアン雑貨の販売や、キッズ向けのイベントも積極的に実施。その結果、幅広い年代の女性から支持を受けられるようになり、現在ではお客様の約8割が女性となっています。
流通小売業では、需要が高く価格の安い商品を揃えて集客につなげるのが一般的です。しかし、今後は店頭での時間を楽しむといういわゆる「こと」の消費も、「もの」を売るために重要な要素になると考えています。ホームセンターも例外ではなく、店内にあるさまざまなコンテンツの中からお客様に喜んでいただける要素を探し出し、楽しみ(=イベント)を生み出すことで人を集めるというエンターテイメント要素が必要になります。
そのため、私たちは子会社と協力して観光農園を立ち上げ、ホームセンターで産直販売をしたり、朝市などのイベントを行ったりといった新たな企画に挑戦してきました。今後は直売所を運営している強みを生かして“食”のイベントを企画するほか、野菜や果物などの自社生産にも取り組みたいと考えています。その先には、食品加工業や飲食店運営などの展開があるかもしれません。
このように、従来の業態にとらわれず、人が集まり、楽しめる場所をつくることが、地域生活の拠点となりうる独創性のあふれたホームセンターの形成につながると信じています。
私たちは、地域活性化の一翼を担うためにさまざまな取り組みを行っています。
例えば、タイム中庄店ではイベントやワークショップが集まる『Hanaフェス』を開催。農マル園芸 あかいわ農園で も、フラダンスグループやマルシェが集まる『アロハフェスティバル』を実施しています。
また、地元のバレーボールクラブチーム『岡山シーガルズ』のスポンサーも務めており、農マル園芸 吉備路農園で行われるイベント『どろんこバレー』では、地域住民とプロ選手との交流を実現しました。
さらに、2018年に起きた西日本豪雨の際には、各店舗で募金を実施し、41万5,614円の義援金を山陽新聞事業団に寄付しています。その他にも、世界の子どもたちにワクチンを届けるためにペットボトルのキャップを集める『エコキャップ運動』などを行っています。
また、地域社会の継続的な発展へ貢献するため、環境保全活動にも力を入れています。温暖化ガスを抑制する環境保全対策として、2013年にはホームセンター7店舗の屋上へソーラーパネルを設置。2018年には新たに1店舗が増え、売電だけでなく自家消費も開始しました。
さらに、岡山市大安寺・野殿地域では、絶滅危惧種であるナゴヤダルマガエルの保全活動なども行っています。